もつ鍋百科

もつ鍋の種類は?

内臓やホルモンを使用したモツ鍋にもいくつかの種類があります。主に材料のバリエーションが変わるだけではなく、食べ方にも色々あります。

福岡のモツ鍋が一般的な食べ方とされてますが、山口県下関市のモツ鍋で「とんちゃん鍋」と呼ばれるものがあります。

こちらは一般的なモツ鍋とは全く違った種類のものであり、まず鍋が普通のものと違い、平たいステンレスの鍋に甘蚊辛ダレの味噌ベースに付け込んだ牛モツ、ネギ、もやし、キャベツを大量に盛り付け、蒸し煮にしたものです。

その際に出汁を一切使わず、野菜の水分のみを使用すると言った大きな特徴があります。

『とんちゃん』という言葉は韓国語で『豚の小腸』を示す言葉であり、『とんちゃん』と言う名前が示す通り元々は豚の小腸を使ったものであったのが考えられます。

前述したように現在ではとんちゃん鍋に使用される多くは『牛の小腸』が主流となっています。

このとんちゃん鍋は戦前に下関で生活をしていた在日コリアン達が生活食として発案した創作料理が祖となっており、下関に存在するコリアンタウン『グリーンモール商店街』のホルモン料理屋やモツ鍋料理屋ではこのとんちゃん鍋を提供する店が多く存在しております。

 

そして一般的なモツ鍋の発祥である福岡県にも変わり種のモツ鍋が存在します。

それが『田川ホルモン鍋』と言うものです。田川には炭鉱で栄えたという背景があり、そこで働く炭鉱夫達が鍋の代わりに紙製のセメント袋と七輪を用いホルモンを焼いて食べた事から始まったと言い伝えられています。

こうする事によって紙がホルモンの余計な油と水分を吸収し、肉に柔らかさとまろやかさを実現させた事でこれが田川に広まったとされます。

現在では鍋または鉄板の中央をくぼませて、ニンニクダレで下味をつけたホルモンをキャベツなどの野菜で煮込んだものが田川一帯の韓国料理店などで提供されています。